仕事から帰ると玄関に封の切られた猫のエサのパッケージがある。親父に何故そんな物があるのか訊ねると、週に3日来る訪問介護のヘルパーが、来る度に猫がデッキで昼寝をしてるのを見て親父に飼ってるのかと聞いたそうだ。ヘルパーにデッキに面した窓を開けてもらうと、ネコが「ミャー」と可愛い声で鳴くものだから、介護ヘルパーにエサを買って来させて食べさせたと言う。親父一人では窓を開けられないから、介護ヘルパーが来た時に介助してもらいながら何度かエサをやってたとも言う。俺が心を鬼にして無視してたのに庭に来るはずだよ。
親父は何も考えずにエサをやっていたようですっかり懐いてしまってるし、犬ほどでは無いまでも親父の暇つぶしの相手になるかも知れない。
俺はエサをやらないのにデッキに腰掛ける俺の隣で毛繕いをしてる。
トイレの躾が1番の問題だが、腹を括ってこの子を飼うか悩んでしまう。