「可愛がっていた」とはおこがましいが、損得を抜きに慕ってくれていた後輩が異動する事になった。
今日は現職場での最後の日。彼は、業務の特殊性から師匠に長い期間付いて業務を覚えたのだが、その師匠もわざわざ駆け付けてくれていた。
彼の師匠を見た時に、俺が転職する際に別れを惜しんで泣いていた先輩の事を思い出し辛くなった。
彼が出先から戻るのを仲の良かった同僚で出迎えて、みんなで写真でも撮ろうと考えていたが、そんな気分になれず「お疲れさま」とだけ伝えて先に事務所に戻ってしまった。
彼にとっては栄転であり喜ばしい事であるが、俺が取り組んできた職場改革には欠かせない存在だっただけにかなりの痛手。
庭ではレディ・エマ・ハミルトンが咲いている。
昨年の嫁の誕生日に合わせて買ったバラだが、この花の香りを嗅ぐ度に後輩の事を思い出しそうだ。
まぁ頑張るか。