彼女とは小中学校の同級生。高校は俺が男子校、彼女は女子校に進んだから、通学する姿を見かける事はあっても話す事は無かった。その後20代前半にたまたま居酒屋で出会い、それぞれの友人や同僚を交えて酒を飲んだり遊んだりする仲だった。
それから30年。部下夫婦から相談を受け、相談内容について詳しく知ろうとネットで調べていて彼女の名前を見付けた。今まではネットで旧友の活躍を目にする事があると「あいつ頑張ってるな」で終わってたが、オフィシャルなメールアドレスが載っていたので懐かしさからメールを送ってみた。すると翌日返信があった。今どこに居るとか当時の事がちょっとだけ書かれている短いものだったが、当時を思い出すには十分なものだった。
俺も近況と携帯番号を書いたメールを送っておいたら気付かないうちに留守電が残っていた。再生してみると30年前と変わらない声と話し方。思わず笑ってしまった。
電話に出られなかった事を詫びるメールを送っておいたら昨日の夕方に電話が来た。互いに酒を飲みながら近況や当時の話しをしてたら3時間経っていた。
彼女と話をしていて30年前からの俺の言動や思考を振り返る事が出来た。今年に入って虚無感を覚える事が多かったが、久しぶりに腹の底から楽しいと思える時間を過ごせた。
性別を超えた気の置けない友人。やっぱり彼女とは友人のままで良かった。勇気が無かっただけかもしれないが、当時の俺の判断は間違っていなかった。偉いぞ、俺。
庭は芽吹きの季節を迎えた。
庭に棲みついているアマガエルは冬眠から覚めて歩き回ってた。
年明けに占いを趣味にしている知人から「貴方、今年は良い年になるよ」と言われ「何言ってんだ？」と思ったが、今はとてもhappyな気分だ。
